医療の役割、患者と医療用ウィッグの役割

「外科的な手術や抗がん剤治療だけで、がんが根治できるわけではない」と医者はいいますが、それは医療の限界を言っているのではなく、「人間がもっている意志の強さがもっとも大事だ」ということを言っているのだそうです。

救命救急の医療現場が舞台になったドラマで、良くバイタルとかバイタルサインという言葉を聞きます。これは生命徴候と訳されているもので、「体温」、「脈拍」、「血圧」、「呼吸数」のレベルを指しています。命の危機に陥った患者の生命力の強さが、この数値に表われると言います。つまり、医師が最後に頼るのは患者本人の生命力。

医療用のウィッグが、闘病中の患者本人にどれほどの生命力を与えているかは不明ですが、病院のベッドを卒業して自宅に戻ったときに、いちばん最初に外出意欲を与えてくれるものといえば医療用ウィッグです。このウィッグを被るという行為は、脱毛した頭部を隠すという以上に重要な意味をもっています。

医療用ウィッグの意義&ウィッグがもたらす生命力

  • 医療用ウィッグは、単に脱毛した頭部を隠すためのものではない。
  • 本人の女性らしさを引き出すものである。
  • ウィッグを被ることで、これまでとは違う自分に出会う可能性もある。
  • 自信がつけば、外出して人に会ってみようと思う気持ちが強くなる。
  • 外出の機会が増えれば、新しい前向きな目標ができる。
  • 化粧やネイルを施して、自分に磨きをかける気力が湧いてくる。
  • 家族や友人に対しての後ろめたい気持ちが、少しずつ和らいでくる。
  • 会社勤めしていた女性は、会社への復帰も考えられるようになる。

    医療用ウィッグを活用して引き出す生命力

    東洋医学では、人間が本来もっている寿命は120才だと考えられています。50才~80才の女性をくらべた場合、目標のある人は80才の人でも50才の女性と同等かそれ以上の生命力をわき出させることができ、逆に目標を失って暴飲暴食や引きこもり傾向に陥ってしまった人は、80才代の女性がもっている生命力よりも劣っていることがあると言います。

    このように考えていくと、「病気を治すのは医療や医師の力であり、生命力を引き出すのは本人自身の力である」ということがわかると思います。冒頭にご紹介したように、「外科的な手術や抗がん剤治療だけで、がんが根治できるわけではない」という言葉の意味と合致します。

    生命力をわき立たせるそのための手段が医療用ウィッグにあり、それが有効に作用するのであれば、積極的に使って自分の生命力を高めていきましょう。外気に触れ、親しい人に会っていけばそれだけでも力が湧いてきます。またそのような日常を送ることで治癒力も高まると思えます。