医療用ウィッグ「顧客満足度97%」ってホントなの?

たまたま時間が空いたので、インターネットをあちらこちら覗いていました。友人の母親が抗がん剤治療で入院することになったというので、数年前に医療用ウィッグを探してずいぶん苦労していたのを思い出しています。そのときスマホをチェックしていた彼女は、「自然さの満足度97%」とか、「サービスの満足度93%」っていうのはホントかね?と私に向かってボソッとつぶやいていました。いま考えてみると、あのときもっと真剣に彼女の話に耳を傾けてあげれば良かったと反省しています。どういう巡り合わせなのか、いまは私が自分の母の医療用ウィッグを探して、パソコンでウィッグ屋さんのサイトを調べています。

当時、友人の母親がガンにかかったのを知って、気の毒だと同情はしていましたが、親身になって心配はしていなかったという自分の本心に、いまになって気づかされました。身内がガンになっても誰も真剣に心配してくれる人は周囲にいなくて、とても孤独です。抗がん剤治療での脱毛に備えてウィッグを準備しようと思っても、相談相手なんていません。頼るのはメーカーのサイトだけで、そこに出てくる数字は「ホントかね?」と思ってしまうほどの高評価です。「自分の母親や家族がガンの宣告を受けるというのは、こういう気持ちなんだ」ということをかみしめ反省しています。

相談相手のいない孤独感。信じるしかないデータの数字

当時の彼女の言葉の記憶をたどって、ようやく見つけたのがアンベリールの「シルフィ」というウィッグのサイトでした。そのサイトには彼女が言っていたように、「自然さの満足度97%」、「サービスの満足度93%」、「着け心地の満足度91%」、「機能性の満足度89%」という4つの円グラフが掲載されています。グラフの但書によると、この数字は無料試着サービスで、メーカーのアンベリールが行ったお客様アンケートの集計結果だそうです。アンケートの数字をそのまま信じることはできませんが、一般のファッション用のウィッグは被るところがシリコンでできているので硬くて重たい、しかし医療用のシルフィは、通気性の良いネット素材を使っているので、頭皮にやさしく軽く、フィット感がいいとありました。

私は病院で母の抗がん剤治療のことや脱毛のことを医師から聞かされたとき、医療とウィッグは同じジャンル(義足や義手のように)なんだから、当然、どこかのタイミングで製作会社を紹介してくれるだろうと思っていました。しかし、そうではなく、特別な紹介は行っていないということでした。そのような諸々の経緯があり、私はこのアンベリールが発表しているアンケート結果にすがるような思いで、オーダーの準備をしています。母の腫瘍は高齢のため進行が比較的遅いということもあり、入院までは少し時間があります。母の体調が良く、気持ちが落ち着いているときを見計らってオーダーの許しを取り付けたら、自宅に送ってもらって試着を行ないたいと思います。