医療とウィッグの購入は別々に考えたほうが良い
抗がん剤治療を受けると食欲不振に陥ることや、頭髪など体中の毛が抜けてしまうことは多くの人に認知されています。しかし脱毛後に必要となる医療用のウィッグについては、医療現場とは別問題だから、医師や看護師に聞くことはなかなかむずかしいもの。「ウィッグも医療の一環なのだから」と言っても通じないことです。
そこで、どうあっても後悔しない医療用ウィッグの選び方・購入のポイントについては、自分なりの認識を深め、ガイドラインを構築しておくべきだと考えます。病院でも定期的な医療用ウィッグの展示会は開催されていますが、その場で購入するにしても、良し悪しを決めて購入に踏み切るときの判断は自分次第。
病院が責任をもって推奨してくれるわけではなく、展示会を開いたメーカーがいつまでも苦情や質問に対応してくれるわけではありません。「脱毛・ウィッグ・医療」は切り離せないものですが、購入するのは自己責任となってしまうので、まずはそのように心得ておきましょう。
何の知識もないのに、いきなり高額なウィッグを購入してしまうのは非常識。後悔の中で一番多く寄せられるのが、「高いから高級で良い商品と思ったのに」とか、「お金を返して欲しいと思うほど悔しい」、「出費が多い闘病中、家族に申し訳が立たない」といった悲痛な叫びです。返品や返金には応じてもらえません。
ウィッグ購入のためのガイドラインは自分で決める
治療中や治療後の外見で精神的・社会的な評価にさらされ、ともすると自分の職場に戻ることが億劫にもなってしまうのが医療用のウィッグ。初めての方にはその辛さやストレスの大きさが実感できないでしょうが、似合うかどうか、バレないかどうか、困り事に対応してもらえるかは、購入時のもっとも重要なポイントです。
とくに医療用ウィッグは、着用期間が1年~2年と長期にわたるので、購入時に確認しておきたいことは「メンテナンス」や「相談事への対応」など、メーカーが長く同じ親切さ・細やかさで対応してくれるかどうかです。高額なウィッグでも、“売ってしまえばそれで終わり”というような、対応が急変するメーカーもあります。
- 企業(メーカー)の基本姿勢を知る。
- メンテナンス項目の細かさを知る。
- リピーター率がどれくらいかを知る。
- ホームページのあり方からメーカーのホントを見極める。
- コスパの話について詳しく述べているか。
- 医療用ウィッグの専業メーカーかどうか。
- 試着と評価に対して自信をもっているか。
- 客観的なリサーチ会社のデータがあるか。
通常「後悔しない医療用ウィッグの選び方」というと、フィット感やデザイン性のことばかり触れている例が多いですが、それ以上に重要になってくるのは、ウィッグを使いはじめてからのアフターサービスの充実度合いです。購入してしまえば、メーカーからのアプローチはなくなり、あとは購入者が連絡を取ることが多くなります。
「型崩れして元に戻りにくくなった」、「洗ったらウィッグの髪がパサパサになってしまった」、「髪の毛をもう少し短くカットしてもらいたい」などは、購入してから良く起こる事案です。アフターのいいところは、すぐに代替品を送ってくれ、修理などの対応もスピーディです。
ホームページを見れば、上記の事柄①~⑧について詳しく説明されているかどうかで、メーカーの本気度は見通せます。イメージ先行型の広告や記述につられてしまうのは後悔の元です。「できれば医療用ウィッグの専業メーカー」、「できれば客観的データに裏打ちされたリピーターの多いメーカー」など、上記の8つのポイントを目安に自身でふるいにかけてみてください。、
急いで買って後悔するよりも、検索や比較検討に時間をかけたほうが、後々まで満足度の高いウィッグを手にできるはずです。そして幸運にもそういうメーカーに出会えたら、利用者としても大事に接していきましょう。