医療現場ではこんなときにウィッグが使われる
医療用ウィッグとはその名のごとく医療に用いられるウィッグです。これが使われるのは病気で重度の脱毛が起きたときです。その病気とはガンです。
医療用ウィッグは女性の利用者が圧倒的に多いのですが、女性特有の病気である乳がんがあるためです。乳がんの治療法の一つに抗がん剤治療がありますが、この治療は効果が高い反面、副作用が強いことでも知られています。
その副作用の一つに脱毛があるのです。その脱毛も軽いものではなく普通の場合でも毛髪の半分程度が抜け落ちることも珍しくなく、ひどい場合はすべてが無くなることもあるのです。
ガンは今では抗がん剤治療で回復する確率は高くなりましたが、副作用による脱毛だけはいまのところ避ける手立てはありません。ということは乳がんにかかっても命を失うことは避けられても脱毛を避けることはできないのです。
でも女性としては「命が助かったのだから、脱毛ぐらい我慢しなければいけない」とも言えないのです。なぜなら髪の毛は女性にとって命と同じぐらい大事なものだからです。
医療用ウィッグはどんな役目を果たしてくれるのか
乳がんの抗がん剤治療受ける女性の多くが医療用ウィッグを着用します。目的は二つあります。第一の目的は脱毛を隠してルックスを改善するためです。
女性が髪の毛を失うと容貌が悪化します。女性は特に容姿を気にしますから、脱毛のままでは人前に出ることもできません。人に会うためには少しでも見た目を回復する必要があります。そのために利用するのがウィッグなのです。
これをつけると脱毛部分は隠れますし、デザインやファッション性の優れたものなら、より魅力的な容姿に変えてくれます。
したがって人前に出ることもできるようになります。
第二は抗がん剤治療で痛んだ髪の毛や頭皮をケアするためです。そのためにこのウィッグは内部の構造に特に気を配って造られています。つまり痛んだ毛髪や頭皮の回復を促進するために、通気性、軽量感、フィット感、肌触りなどが特に考慮されているのです。
それだけに普通のウィッグに比べると値段はかなり高くなっています。具体的な金額を言いますと普通のウィッグの中級品が3万円〜5万円程度であるのに対して医療用のものは7万円から10万円ぐらいが普通で、オーダーメイドなどの高級品になると20万円〜30万円のものも珍しくないのです。