ウィッグは、“主役として取り上げられない”薄い存在感?
良く、「ウィッグはファッションの一部だ」とか、「ウィッグ選びにもコーディネイト感覚が大事」などという発言をしているファッションアドバイザーの意見を耳にします。しかしウィッグがファッション誌の特集などで組まれることは少なく、コーディネイトといった扱いで記事が書かれている雑誌など見たことがありません。
医療用ウィッグが一般誌の記事に取り上げられることは皆無で、介護や看護師向けの専門誌にも記事として掲載されることはありません。
「医療に携わる医師や看護師とウィッグのあいだには高い垣根がある」とこのサイトでも複数の寄稿文が掲載されていますが、ウィッグ記事そのものの露出量が皆無に近い現状では、医師・看護師としても知識をつける方法がありません。
いつまでたっても医師から患者に「医療用ウィッグの正しい選び方」といったアドバイスがもたらされない現状があっても、これでは仕方がないと言うしかありません。
記事や特集にならない存在感の薄いウィッグ、あるいは特集記事にするほど興味をもたれていないウィッグ~。脱毛で悩む利用者は、そんな認識に留めるしかないのでしょうか。
信用できる確かな情報は医師からしかない
50代・60代、あるいは70代の人でも日常的にネットを使う時代ですから、医療用ウィッグの情報はインターネットで検索すれば簡単に手に入ります。「ネットで見つけられるならそれでいいじゃないの」と言われてしまいそうですが、そこには大きな問題が1つあります。『ネットは商取引のツールであり、広告主はイイことしか言わない。そもそもネットの人気ランキングや口コミの真偽が疑わしく、鵜呑みにできる意見がどれなのかそれさえもわからない』という点です。
患者と直に向き合う医師や看護師から、正しい医療用ウィッグのアドバイスを聞きたい、情報を得たいというのは、患者としての当たり前の感情ではないでしょうか。
医療従事者はウィッグのスペシャリストになって欲しい
- 医師や看護師、または介護従事者などに有用な情報ツールを、ウィッグの専門機関が作成して関係者に配布して欲しい。
- 医師や看護師は、医療用ウィッグを治療のための重要なツールという位置づけから、もう少し積極的に情報を取り入れて欲しい。
- 医療用ウィッグのおすすめ品を、医師としてはっきり示して欲しい。装着感の良さ、機能性の良さ、衛生面の良さなど、理由を述べて欲しい。
- 個々の患者にあわせてきちんと向きあい、それなりのアドバイスをして欲しい。
欲を言うなら、医療用ウィッグ専門の相談コーナーやアドバイスコーナーがあって、患者の相談ごとに随時応じてもらえれば心強いと思います。
医師や看護師が多忙なら、専門知識をもった職員の配置でも、患者の治療前後のケアは、ずいぶん安心感が高まると思います。